五月雨の頃
作詞・作曲/三井拓郎
編曲/pertorika

週末はいつも雨で 洗濯物はたまって 未来(さき)の見えない街のビルを眺める
テレビはまた誰かの訃報を伝えている 暗い空気を消そうと部屋の電気をつける

君が隣にいることも忘れて ため息ばかりついて
本当に大切なものだけ見つめて 五月雨降る街で濁した言葉

また君をこうして傷つけてしまって 雨が止んだら歩こう
落ち込んでまた僕を困らせて
また君をこうして知ってゆくんだろう 濁った音をかき消して
美しい君へ

駅前はだんだん変わって 人もそれなりに増えて 高い建設途中のビルを眺める
テレビはまた隣の国を中傷している 「上辺だけの発展」と同じフレーズを繰り返す

君の欠片がまだここにはあって うまく片付けられないまま
本当に大切なものだけなくして 散らかったままの部屋で見つけた写真

また君はこうして笑っているだけで 何も答えてはくれないな
変わらない笑顔に寂しくなる
まだ僕もこうして笑っていたんだね  眩しい過去がにじんでゆく
美しい君も

本当に大切なものだけ求めて 雨上がりの街でこの声が枯れるまで 君の名を呼んでみた
濡れた頬とくしゃくしゃな泣き顔

また君の事を思い出しながら 行き急ぐ街の片隅で
透き通った青空を見上げては
また君をこうして探しているよ 手の届かない世界で
美しい虹を見下ろしているかな